2008年6月アーカイブ
6月も後半になり、小田代ケ原と戦場ヶ原は花の饗宴と化しています。1週間もご無沙汰すると別の花が咲くので目が離せません。
今をおいては見られない花に会いに来ませんか?
戦場ヶ原を覆い隠すかのように広がる無数の白い綿帽子。湿った土壌を好むこの植物の正体は「ワタスゲ」の実。スゲの花が終わったあとにできる綿帽子です。
ここ数年で数が一挙に増えて、以前なら部分的にしかなかったのに、昨年、今年と白い絨毯を敷いたかのように広がっています。
かつて戦場ヶ原はシカの食害によって貴重な植物がほぼ全滅シカかったことがあり、被害を食い止めるために戦場ヶ原一周にわたって柵で囲み貴重な植物を保護するようにしました。その甲斐あって、ここ数年、一時は絶滅したと言われている湿原特有の植物の復活がめざましく、写真のような光景が見られるようになりました。

赤沼に近い戦場ヶ原の遊歩道からは真っ白に化粧した戦場ヶ原を見ることができます。

遊歩道近くまで広がったワタスゲ。風が吹くと綿毛がなびきます。
絶滅しかかった植物の復活に伴い、別の問題も浮上するようになりました。戦場ヶ原に入るのは実はシカだけではなく、シカよりも賢い"人"が、柵を乗り越えて入るようになりました。
その結果、植物が踏まれて道筋が付き、その道筋を辿ってさらに別の人が入り込むといった悪循環が始まりました。
踏まれても踏まれても雑草のようにたくましく、、、というのとは訳が違って自然の植物は実に弱く、踏まれても踏まれてもというようにはいかないのですね。
入り込む人の多くは素人カメラマンで、植物に近づいて撮りたいという欲求のあまり、人の目を盗んで柵の中へ入り込みます。ハイカーがまだ来ない早朝を狙ってやってくるので始末が悪く、注意しようにもできないという次第です。
自然を破壊してまでいい写真を撮りたいか、カメラマン?
このようなカメラマンは戦場ヶ原に来る資格はない、というのが私の主張なのですが、自己チュウには通じないだろうな(笑)。

ワタスゲの時期、素人カメラマンの侵入によって裸地となってしまった戦場ヶ原。
毎年のことながら6月はとても憂鬱。
梅雨だから当たり前! いえいえ、梅雨は梅雨なりの風情があって、それなりの楽しみ方があります。
問題は、楽しむにはあまりにも人と車が多すぎること。私は自営業の特権で、奥日光で遊ぶのはほとんどが平日。その平日でさえも紅葉時期に劣らないほどの人・人・人、車・車・車の数。
原因は千手ヶ浜に咲く「クリンソウ」。5~6年前は花の見頃になってもそれほど多くの人が来ることがなかったのに、テレビや新聞でニュースとなってからは、個人客はもちろんのこと、旅行会社のツアーの対象にもなり、以来まるで火が付いたような勢いで見物客が増え、いつもは静かな湖畔に、この時期だけ観光客で溢れかえります。
それらの人がどこから集まってくるかっていうと、9割が戦場ヶ原入口の赤沼から。
千手ヶ浜へは菖蒲ヶ浜と赤沼というふたつのルートがありますが、菖蒲ヶ浜からだと90分ほど歩かなくてはならないため、足腰の弱った中高年や重い器材をかかえたカメラマンでは無理なので、千手ヶ浜へのバス便がある赤沼に集中します。その結果、駐車場に入りきらないマイカーが国道を塞いで渋滞となるわ、バスは終日満車で乗れないわで、そこにまた人が溜まります。
迷惑を被るのは小田代ケ原や戦場ヶ原を散策したり、花を見にやってきた自然好きな人たちで、いや実は私もパークボランティアとして小田代ケ原と戦場ヶ原に咲いている花の状況を調べて環境省に報告する立場なので、起点となる赤沼に車を置けないのはとても困る。
クリンソウなど群生してるから見栄えがしますが、むしろ単体で咲いてる方が楚々としてきれいです。ここは、みんなが行くから私も行く、といった日本人特有の右へならえ的性格が、クリンソウの群生めがけて押し寄せるのでしょうね。
この騒ぎが早く収まってほしいと願っているのは私だけではないでしょう。
日光自然博物館のブログ「戦場ヶ原からこんにちは」の16日の記事によると、
「駐車場は朝8時過ぎから満車。午前中いっぱいは国道から駐車場への通路に空き待ちの車の列ができていました。低公害バスについても、お昼過ぎまでは常に満員状態。一番混雑した10時台には行列に並んでバスを二便見送ってから(ということは1時間以上待って)ようやく乗れるといった状況。それだけ多くの人が千手ヶ浜に入っているのですから、当然午後の千手ヶ浜発のバスも同じような状況に。(月曜でこれだから土日はもっとすごい事になっています)」
と書かれています。
前回6日に続き、花の咲き具合を確認してきましたので、そのご報告。
奥日光の花の名所は、前回訪れた小田代ケ原と戦場ヶ原、そして今回の湯元周辺がアクセスも良くまた、種類も豊富なのでお勧め。
5月に小さくて目立たない花が咲き始め、6月、7月と次第に色もきれいで、人の目に付きやすい位置に咲く花が増えてきます。
小田代ケ原と戦場ヶ原という隣接した原にたいして、湯元は北に位置し、標高も100メートルほど高くなるため植生が異なり、違った楽しみを与えてくれます。

レンゲツツジ。ツツジの仲間では大柄で、薄い朱色が特徴です。これからが見頃ですね。

ヒロハツリバナ。「広葉釣花」の和名の通り、大きな葉っぱと垂れ下がった花が特徴です。葉っぱが大きい割に花が小さく、このミスマッチが特徴とも言えますね(笑)。
この仲間にオオツリバナというのがあって、違いは花弁の枚数だけ。詳しいことは近いうちにお知らせします。

コヨウラクツツジ。果物の実のような丸っこい花を咲かせ、ひとつの花なのに黄色や赤が混在するという珍しい花が特徴です。
小田代ケ原や戦場ヶ原では見ることがなく、といって湯元でも見られるのは湯滝の落ち口でしか見られない貴重種です。

日光全域に分布するキバナウツギ。キバナとは花が黄色い花から。ウツギは空木と書き、枝の内側は空洞になっているからという。仲間にニシキウツギがあり、これは黄色と赤の2色の花が同じ木に咲きます。
もうひとつ、バイカウツギというのもあって、バイカとは梅の花と書きます。
いずれアップしますが、どんな花か想像できますか?

日光では6月になって桜が咲くんだよね、といったら、そんな馬鹿な! と思う人がいますが、それが山の花というもんです。
これはミヤマザクラといって、ミヤマとは深山、つまり山の奥に生きる植物全般を指して言っています。

真っ白で可憐な花なのに、名前を聞くと驚く。なんと蛇苺の花なんですね。花が終わると真っ赤なイチゴが実り、とてもおいしいそうな。その実を蛇が食べるからとも、食べにやってきた小動物を蛇が狙うからというのが名前の由来ですが、いずれにしても名前に似合わずとてもきれいな花です。

カエデの仲間でもちょっと変わった名前が付いています。答えは次の写真を見てくださいな。

写真をクリックして拡大してみてください。緑と黒の縞模様そして、白っぽい斑点でなにか想像できませんか?
ヒントは直径20センチ大の丸い果物。それも高価な!
とくれば、答えは「メロン」。日本語だと瓜(ツメ、じゃなかったウリ)ですね。
まさに、ウリそっくりの木肌が特徴なので、その名もウリハダカエデといってます。

ベニサラサドウダン。「紅更紗灯台」と書くツツジですが、他のツツジと違って小さな花をたくさん付け、釣り鐘状に下向きに咲きます。深紅の花に薄い縦縞が入り、とてもきれい。

このブログでも何度も紹介しているウマノアシガタ。一番始めに出る葉っぱが馬の蹄(ひづめ)に似ているというのが名前の由来なのですが、誰がどう見てもそうは見えないという、曰く付きの植物です。

気温も水分も上昇してくると、植物だけではなく、昆虫も活動を始めます。
羽化したばかりで、まだボ~としている状態のエゾハルゼミとトンボ(下の写真)。
奥日光はいよいよ花の盛りとなってきました。
まだ、どちらかと言えばそれほど目立たない花が多いので、うっかりすると通り過ぎてしまうかもわかりませんが、半月もすればアヤメやノハナショウブ、アザミといった、色が鮮やかで大きくて目立つ花が咲き始めます。
それら小田代ケ原や戦場ヶ原の花の主役たちが登場する前でも、数えれば十数種の花がひっそりと咲いているのがわかります。今日はそんな花たちを紹介しましょう。

赤い実のあまりのおいしさに、食べた鶯が神楽を踊った、という由来のミヤマウグイスカグラ。戦場ヶ原一体に分布していて、赤い小さなラッパ状の花を付けるのですぐに見つかります。

漢字で書くと「目木」という変わった名前のメギ。気になったので調べたら、煎じ液で目を洗うと結膜炎などに良いらしいとあります。葉は小さく、枝にトゲがあるので見分けは楽。

スミレ界の女王と呼ばれるほど、その美しさはピカイチ。今日の写真だとパッとしないため、タチツボスミレに間違われてしまいますが、咲き始めだからなのかなぁ?

これもスミレの仲間で、ツボスミレ。1センチほどの小さな花で、色が白くまとまって咲くので結構目につきます。

オオバタネツケバナ。戦場ヶ原の湿地帯にしか分布していないと思いきや、小田代ケ原にもあるのを発見。咲く場所が変わると、特定できなくなってしまうのは素人の悲しさか?

セントウソウ。2~3ミリの小さな花をたくさん付け、線香花火のように見えるのと、葉が分裂しニンジンの葉っぱに似ているのが特徴。

花が咲く期間が短いため、蕾が見えてから1週間以内に再訪しないのと花の写真が撮れないので、今回はウンがいいといえる。

茎に葉が1枚ずつ数層に付くことから九輪、花が筆のように長く柔らかいので雪筆というのが名前の由来。となれば「クリンユキフデ」ということになります。小田代ケ原だと木道脇のやや湿った土壌で見られます。

昔、長野県ではこれを煎じて喘息の薬として服用していたそうですが、喘息のことを方言でズダ、つまり喘息に効く薬という意味で、「ズダヤクシュ」と呼ばれています。

カキドオシ。花が終わると茎が地面を這って伸び、垣根を突き抜けると言うことからこの名前が付いたそうです。

花弁に光沢があるので、一般的にはキンポウゲ(金鳳花)と言った方が名前の通りがいいのですが、日光では別名のウマノアシガタ(馬の足形)と呼んでいます。
国道から1キロも歩けば、純白のドレスをまとった花嫁みたいに、楚々として美しいズミと出会えることから、これを楽しみに毎年6月に訪れるファンもいるくらい、奥日光の6月の風物詩とも言える光景が広がります。
湿原で有名な戦場ヶ原の乾燥化の代名詞となっているズミは、しかし美しい花の代名詞でもあります。
1センチほどの小さな花をたくさん付けた枝は、遠くから眺めると木全体が真っ白な綿帽子のように見え、ひときわ目立ちます。
あんなに木肌の汚い木がどうして、これほどきれいな花を付けるのだろう、と私などは考えるのですが、天は二物を与えずの言葉もあるとおり、これが自然界の法則と思えば納得がいきます。
真っ赤な蕾は咲く手前で淡いピンクの色に変わり、咲くと真っ白になる不思議な花で、蕾だけ眺めていてもきれいで飽きることがありません。
これから10日前後は訪れる人の目を楽しませてくれることでしょう。
小田代ケ原と戦場ヶ原はこれから8月まで花の季節を迎えます。
小さくてあまり目立たない花はすでに咲いていますが、これからはアヤメやノハナショウブ、アザミ、ハクサンフウロといった高原植物が咲き出し、それは賑やかになります。
花を見るならきれいな環境で! というスローガンの下、花を眺めながらゴミ拾いをするツアーを開催しています。
昨日は、東京に本社があるS社で、広報を担当している小谷さんをお連れしてクリーンハイキングを実施。
なんでも、夏号の広報誌は環境特集として、ご自身が体験したリポートを載せるのだそうです。どんな記事になるのか楽しみにしています。
小谷さんが担当する広報誌は、会社の契約先、42万軒に配布されるそうですので、ご覧になった方に少しでも自然保護への関心を持っていただければありがたいと思っています。

ゴミがもっとも多い休憩場所で、小さなゴミまで拾い集めてくれた小谷さん。

ゴミはご覧の通り雑多。一人ひとりがちゃんと持ち帰れば花も喜ぶのに。
たばこの吸い殻もかなりありました。こんなに空気が美味しいんだから、煙じゃなくて空気を吸えばいいのにね。
年を追う毎に増えるワタスゲに、今年はどうかな? と期待しているのですが、今日(2日)確認したところでは、今年も数は多くなりそうな気配で安心しています。
ワタスゲは日光でも湿原が残る戦場ヶ原高だけに見られる多年草で、花のあとにできる白い綿帽子のことを指します。遠くから眺めると、あたかも白い花のように見えますが、花は5月半ばから下旬にかけて咲く、灰色の目立たないもので、それよりも実である綿帽子に人気があります。
昨年は13日に戦場ヶ原を歩きましたが、原全体が白い綿帽子に埋め尽くされ、それは見応えがありました。これから2週間ほど楽しめるでしょう。
昨年13日のワタスゲ(とにかく凄い)。
http://www.ippo.jp/blog/2007/06/post_137.html






























